鵜の眼・鷹の眼ご意見番

鵜の眼、鷹の眼の視点で、世の中の不可思議を切り取っていくブログです

厚木警察署の深い、深い闇 小林誠の事件

 小林誠実刑犯による逃走から大分時間が経ってマスコミもそろそろ取り扱わなくなってきているので、敢えてここで触れておきたい。

 今回の報道の中で何故かあまり口にされない事、それは神奈川県警、とりわけ厚木警察署に関する非難である。

 勿論、一義的な責任は検察、横浜地検にあるのは私も否定しない。しかし今回のような事が起こったことに厚木警察の関与がとても重大であったと私は思っている。

 厚木市、とりわけ妻田とか三田とかいった地区の住民に小林誠、あるいわ小林三兄弟などと称される悪に関しての評判は昨日、今日の話ではない。実際かなり小さい頃から小林は悪事を重ね、少年院送り、実刑判決を重ねている。それを一番よく知っているのは管轄である厚木警察署の筈である。

 だから横浜地検が警察に向けて小林を収監するのに警察官二名の同行を依頼した際に、どういう準備で向かうべきかを一番よく知っていたのは厚木警察だった筈だ。検察はしょせん紙で作られた資料でしか事件や犯人を知らない筈だ。生身の人間として一番把握していたのは所轄の厚木警察署ではなかっただろうか。

 私は厚木警察署がよく分かっていて、その上で警察官二名を、丸腰でとまでは言わないが、少なくとも拳銃の所持なしで出掛けたのはある意図があったと思っている。つまり厚木署は最初から小林誠が逃走することを想定し、その上で逃がしたのではないかと推測しているのだ。

 その一番の証拠が小林が逃走する際に口走ったという「お前ら、騙したな。」

のひと言だ。

 まず、お前らとは誰の事か。小林が横浜地検に対してお前らと言った筈はない。何故なら再三に亘って書面にて横浜地検からは収監するから出頭しろという命令を受けていたからだ。横浜地検が自分を捕えに来るのは小林も当然の事と思っていた筈で、よもや騙したなどとは言わない筈だからだ。

 となると小林がお前らと言ったのは警察に対してでしかありえない。検察は収監すると言っているが、そうは言っていなかった人物、組織があり、それに対して小林は「騙したな」と言ったとしか考えられない。つまり小林と厚木警察の間には密約があって、「お前を収監はしない」あるいは少なくとも「すぐには収監しない」という話を小林に対して言い渡していたのだと思われる。

 次にこの「お前ら、騙したな」と小林が発言した事を誰がマスコミに対して洩らしたかだが、それは横浜地検側としか思えない。実際この声を聞いたのは、横浜地検の役人五名と警察官(おそらく厚木署の)二名しか居ない訳だから、マスコミに洩らしたのは地検側か警察側かのどちらかだ。そしてこの両者はある意味で反目しあう立場にある。少なくとも絶対的な信頼感で結ばれていた筈はない。

 「お前ら、騙したな」は、収監する側と収監される小林の間で何らかの密約があったことを一般人に想像させる言葉だ。そうなると敢えて収監劇の最中に犯人との間で密約があったらしいという言葉をわざわざマスコミに洩らすからには、収監に立ち会った二つのグループのどちらからかと言えば、自分達は真面目に収監する為に向かったのに、どうもそれを邪魔する動きが検察、警察の中にあったせいで取り逃がしてしまったのだと言わんばかりだ。

 実刑犯を収監するのは地検の責任だが、一旦逃走しようとした場合にはそれを命を掛けて阻止するのは警察の仕事であるのは誰が考えたってそうだろう。その為の充分な準備をする責任も、車での逃走を想定してあらかじめ車をつかえないように手配するのも、すぐに通報して包囲網を敷くのも全て警察のやるべき仕事で、どう考えても出来た筈の事ばかりだ。それをしなかったのは、そうしないという意志があったとしか思えない。

 この逃走劇が始まる前から小林誠という男が凶悪な男であるのはさきほども述べたように厚木警察が一番よく知っている筈だ。承知していて愛川地区や厚木市内に放置していたのだ。横浜地検がプライドを捨てて警察に同行を求めた際にも、厚木署は地検側ではなく、逃走犯側に加担するつもりで臨んだというのは私の考え過ぎだろうか。そう考えれば実に辻褄が合ってしまうのだ。

 神奈川県警、厚木署共に、今回の事態に対して会見をしていない。沈黙を守り続けている。どう悪知恵を働かせても今回の失態(わざとやったのなら失態ではなく、失敗?)の言い逃れをする正当な言い訳が立たないのだろう。

 私自身は逃走したという報道を聞いたのが翌日の朝で、それから二日間ほどは犯人が車を乗り捨てた場所、衣服を変えて入ったコンビニと理髪店の場所、そしてその後電話を20分ほど掛けたというコンビニの場所を特定する情報は一切流れなかった。ちらっ、ちらっと映るテレビの報道の背景からグーグルビューを駆使して私自身が場所を特定するのに最初の報道を見た時から半日ほど掛かってしまった。その間、マスコミもその場所に実際テレビカメラを持ち込んで映しているのに、そこが何処なのか一切報道しなかった。その近辺に棲む者にとってはたまったものじゃない。あの逃走後の数日間、妻には車に乗る際には必ずロックを掛けたままにするように命じ、私自身夜寝る時には実に久々に雨戸を閉めた。あの数日間は小林自身が逃走用の車や必要機材を確保する為に一般民間人に包丁を突き付けて脅すという可能性は充分に考えられたのだ。それにも関わらず、警察もマスコミも場所を特定する情報を流さなかったのだ。

 私自身は神奈川県警、厚木警察署に関して不審を抱かざるを得ない事例を幾つか経験しているので、さもありなんと思っている。彼等は自分たちは守っても住民たちを守るつもりなど更々ないのだ。