鵜の眼・鷹の眼ご意見番

鵜の眼、鷹の眼の視点で、世の中の不可思議を切り取っていくブログです

ゴーン報道に思う事

 ここ最近、カルロス・ゴーン元日産会長がマスコミに取り上げられない日はないようだ。そのゴーン報道、特に過去に行った事の功罪についてマスコミが取り上げている報道がちょっと酷いと思う。

 お断りしておくが、別にカルロス・ゴーンの肩を持つ訳ではない。彼がした事の犯罪性については特捜地検に粛々と進めて貰う他はない。

 私が酷いと思うのは、やれカルロス・ゴーンは酷いコストカッターだとか、村山工場などの5工場を閉鎖したとか、その為に職を失った下請け業者たちとかを挙げてカルロス・ゴーンをやり玉に挙げていることだ。

 しかし冷静に考えてみてほしい。この場合、本当に責められるべきはゴーンが登場してV字回復を前のどん底の状態にまで日産を追いこんだのは誰だったのかという事だ。

 私は過去に多少この日産という会社と関係したことがあるので、多少どころかかなりの実態を知っているが、ゴーンが来るまでの歴代の社長、会長たちは実に酷い放漫経営をしていた。誰がとも言えないくらい、お歴々はいずれ劣らず酷い経営しかしてこなかった。ゴーンがやって来る前にどんな人がどんな経営をしていたのか、マスコミが調べて報道しないのは怠慢過ぎる。

 ゴーンのせいでこんなになったというのは、イメージ作りとしては安易で簡単に数字が取れる。何せ昔の日産の事は何一つ取材していないのだから。

 ゴーンが今実際に罪に問われているのは、非常に判りにくい犯罪についてだ。50億円もの金を騙し取ったように言っているが、もし最初から正規に50億円報酬を上乗せしていたら、誰か文句を言ったのだろうか。特にマスコミだ。

 だから虚偽記載などの犯罪が許される訳ではないが、今のマスコミの報道には民意を扇動するだけのそれこそ虚偽に溢れている。

 村山工場など日産5工場を本当に潰したのは誰だったのか、もっとちゃんと取材して報道してほしい。